大野 尚斗

Naoto Ohno

大野尚斗氏は、福岡県出身の1989年生まれのオーナーシェフで、福岡市にあるモダンフレンチのレストラン「Syn」を率いる。幼少期からバックパッカーであった両親に連れられ海外を訪れる経験が多く、料理への道を志すきっかけとなったのは、高校時代の「美味しいものをずっと食べられる」という発想からである。 高校卒業後、地元の人気フランス料理店での下働きを経てニューヨークの名門料理学校「The Culinary Institute of America (CIA)」で料理を学ぶ。在学中には、日本のトップレストランへの訪問が契機となり、「一度の人生ならトップを目指すべき」との思いを抱く。その後、シカゴのミシュラン三つ星「Alinea」やスウェーデンの二つ星「Fäviken」、ペルーの世界No.1レストラン「Central」など、世界中の著名なレストランで研鑽を重ねた。特に、世界で最も厳しい厨房の一つとされる「Alinea」では、部門シェフやパティシエを務め、過酷な環境を乗り越えつつ料理技術を磨いた。 2023年、福岡に自身のレストラン「Syn」を開業。コンセプトは「Cuisine Voyages (旅する料理)」であり、旅を通じて得た多様なインスピレーションを料理に昇華させている。料理には、手作業による丁寧さを重視し、機械的な工程を避ける哲学が反映されている。また、使用する食材は当日に全て下拵えを行い、その日一番の状態で提供するという厳格なスタイルを貫いている。 2024年、「ゴ・エ・ミヨ 2024」で「期待の若手シェフ賞」を受賞。 これまでに訪れた国は43カ国以上。旅と食を通じて得た経験が料理スタイルに色濃く反映されており、地元福岡から世界への発信を目指している。大野氏は「料理を通じてゲストとともに世界を旅する」という信念を持ち、常に新たな挑戦を続けている。